津波について正しく理解して、津波対策を進めよう。
世界中で津波によってもたらされるリスクに関する人々の意識を向上し、津波対策を強化するため、日本をはじめとする世界142ヵ国の共同提案により、2015年12月の国連総会において、毎年11月5日が「世界津波の日」に制定され、津波対策に関する新たな取り組みが始まりました。
1960年のチリ、1976年のフィリピン、1998年のパプアニューギニア、1999年のトルコ、2001年のペルー、2004年のインド洋沿岸諸国、2009年のサモアおよびトンガ沖、そして、2011年の東日本大震災など、世界各地で津波被害が発生しており、津波の脅威は多くの世界共通の課題となっています。
紀元前1610年~2014年に発生した地震、火山噴火、地滑り、その他
2011年東日本大震災
18,000名超の死者と行方不明者
2004年インド洋津波
227,000名超の死者
1896年三陸沖地震
27,000名の死者
1883年インドネシア・クラカタウ島火山噴火
34,000名の死者
1868年チリ地震
25,000名の死者
1755年ポルトガル・リスボン地震
50,000名の死者
1700年以降に発生した最大級の津波では、死者は15,000名を超えている。
日本では、東日本大震災が発生した2011年に、津波対策について国民の理解と関心をより一層高めるために、法律で「津波防災の日」を制定し、全国各地で津波防災訓練や意識啓発の取り組みを実施しています。
11月5日は、嘉永7年(1854年)、安政南海地震(M. 8. 4)による大津波が紀伊半島を襲った日です。その際、和歌山県のある村の郷士が、収穫したばかりの穂を積み上げた「稲むら」に火を放って、暗闇の中で逃げ遅れた村人を高台に導き多くの命を救ったという出来事がありました。この「稲むらの火」の逸話に因んで「津波防災の日」として11月5日が選ばれました。